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城山でのんびり [やま]

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コーヒーでのんびり@城山

ひさしく山に行っていなかったので、なんとなく行きたくなった。そこでいつもの高尾山へ。

今回は走らないですべて歩き。高尾山口から6号路→山頂→城山といって、また帰ってきた。11時30分にケーブルカーの駅を出発して、6号路経由で山頂手前の肩(階段の手前のところ)へ。ここまで37分。滝のような汗をかいてしまった。歩きなのに。8月だからしかたないか。

顔を洗いたくなったのでとりあえず山頂へ。きょうは天気がよくてすばらしい。

洗顔してすっきりしたところで城山へgo! 高尾山頂から城山山頂までは、ちょうど30分でした。走ったら15分くらいだもんね。そんなものか。

城山山頂は東側斜面がいつのまにか伐採されていて、都心の方向(新宿から渋谷あたりか?)がとてもきれいに開けてみえるようになっていた。

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こんな感じ。

「来るたびに新しい、高尾山」って感じ。いつもどこかが変わっているのがこのコースです。

そこで、ここでのんびりすることに決定。コーヒーをいれ、柿ピーをおつまみに、1時間以上ものんびりしてました。いつも本ばかり読んでいるので、たまには目をやすめてあげないと。山は目にとてもよい気がする。空気もいいし、最高!

帰りは城山から高尾山頂までが26分。山頂でまたのんびりしてしまった。富士山もちょこっとだけ見えた。
そこから高尾山口の駅までが6号路で35分。あれ、行きとほとんどかわらないのはなぜだ。帰りは山頂からタイムを図っているのだけど、階段の分しか距離はちがわないはずだから、せいぜい2分くらいか。そうすると4分くらいしか行きと帰りでちがわないことになる。往路でがんばったってことにしよう。

帰りの6号路は16時すぎ。さすがに少し暗くなってきた。それにしてもこの時間に6号路を上がってくるひとたちがけっこういる。ビアガーデンに行くのだろうけど、ちょっと危険では、とよけいなおせっかいをしたくなってしまう。6号路であの時間帯に、ふつうにビアガーデンまで歩いたら、2時間くらいかかってしまうんじゃないだろうか。そうすると18時30分くらいになってしまう。

まあカップルの方々はけんかになどならないようにしてください(笑)。
ビアガーデンまでどうしても歩きたいなら、1号路がおすすめかと。

それにしても、体力落ちたなあと痛感。少しずつ戻していかないとね。

おまけ。城山山頂にこんなものができてました。天狗かな。
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タグ:城山
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山で迷わないための方法論⑦・完 「地図読みは何のため?」 [やま]

第7回 「地図読みはなんのため?」

いよいよ最終回です。なんとなく思いつきで書き始めたこの連載。もう何年も前から感じていたことをまとめてみました。ほかにもたくさん書ける気もするのですが、とりあえずこのくらいにしておきましょうね。

さて、地図読み以外で、迷わないためにできることについて話をしてきました。たくさんありましたね。通常のハイキングなどでは、地図読みはできるに越したことはないにしても、高度な地図読みが要求されるようなところは実はあまりありません。にもかかわらず道に迷う事故が発生するのは、実はほかのところに原因があるのでは、という視点から話を進めてきました。

しかし。なんとなくそれらについてはわかってもらえたのではないかと思いますが、疑問がひとつ残っていますね。

じゃあ、地図読みってなんのためになるのでしょう。 地図が読めるとどうなるの? 
この答えはひとそれぞれかもしれません。私が考える答えはこんな感じです。

「山で自由自在になれます」

そんなふうになれたらいいな、と思った方はぜひこれから地図読みを学んでみてください。

上達する方法としては、
①地図読みの先生をつかまえて教えてもらう
②オリエンテーリングを始める

この2つが簡単ではないかと思います。それでは、がんばってください!

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山で迷わないための方法論⑥ 「次の目的地までの時間を計ろう」 [やま]

第6回 「次の目的地までの時間を計ろう」

登山道かどうかを見極めるポイントについては第4回でお話ししました。でも山を歩いていると、けっこうしっかりしていて登山道と見分けがつかない道というのが必ずでてきます。このような場合は(戻る可能性も考慮にいれつつ)正しそうなほうを選ぶしかないわけですが、そういうこともあるので、やはりこれだけやれば絶対に迷わない、という方法はないのかもしれません。

したがって、最終的にはどうやってリスクを(極限まで)減らしていくか、ということになっていきます。今回は「時間」について考えてみましょう。

さて、山に行くとき、どんなひとでも少なくとも簡単なスケジュールは立てていくと思いますが、ここで提案したいのは、もうちょっと細かな時間管理です。

登山口に着いたら、そこから次の目的地(休憩地点)まで地図上では何分かかり、自分の足だと何分かかるかを認識し、途中でもそれを考えながら進みます。これを目的地に着くたびに繰り返していくというものなのですが、いかがでしょうか。やっていますか?

けっして難しいものではありませんが、けっこう一筋縄ではいかないところがあります。たとえば、

・1人なのか、2人なのか、グループなのか
・走るのか、歩くのか
・複数(グループ)で行く場合、相手方の経験、体力(性別・年齢)はどれくらいか
・初めての山か慣れている山か

などによって大きく変わってくるからです。
ちなみに私の場合、昭文社の『山と高原地図』のコースタイム(地図上の○から○まで)に対してどれくらいの割合で進めるかの目安として、だいたい次のような基準をもっています。

①1人で走る場合 → 30~50%
②2人またはグループで走る場合 → 45~60%
③1人で歩く場合 → 55~75%
④2人で歩く場合 → 70%~100%
⑤グループで歩く場合 → 90~110%

もっとも時間の計算が確実なのは、慣れた山をひとりで走るときです。だいたいコースタイムの30%を目安にしています。これに対して、もっとも時間が読めないのはグループで歩く場合です。とくに会社の仲間でハイキングに行くような場合、年齢差も体力差も非常に大きいですから、そういうときはフォローが必要になる可能性がある人はだれなのか、その人はどれくらいで歩けそうか、ということを考えておかないといけません。

さて、自分なりの時間感覚をつかんでおくと、たとえばコースタイムの80%くらいで着くはずなのに、110%になっても着かないような場合、そこで何かがおかしいと気づくかもしれません。

だれもが間違うような道があったとしても、時間の管理をしておけば、時間で気づくこともできます。

これも簡単なので、ぜひやってみてくださいね。

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山で迷わないための方法論⑤ 「ちょっとした違和感を大切に」 [やま]

第5回 「ちょっとした違和感を大切に」

前回は、登山道かどうかの見極め方についてお話をしました。今回は、いま歩いているところはほんとに登山道なの? と思ってしまった時の行動について考えてみましょう。

選択肢としては4つくらいでしょうか。
①とりあえずそのまま進む
②いちど立ち止まり、あたりを見渡したりしながら、そこからさらに道っぽいところを探して進む
③すぐに引き返す
④ひと休みする

①も②もよくないと思うのですが、どちらかといえば②のほうがさらによくないと思います。なぜでしょうか。図で考えてみましょう。現在地をA、次の目的地をA’とします。

A’        B’
↑       ↗            
↑     ↗     
↑    B → → → C 
↑  ↗ 
↑ ↗
↑↗
A

最初A地点にいましたが、いつのまにか道を外れてB地点に行き、そこで「あれ?」と思ったとしましょう。①そのまま進む、を選ぶと、B' 地点に行きますね。これはA地点からの方角でみると、A→Bも、A→B’ も、ほとんど同じです。したがって、A地点からのずれの角度はそれほど変わらないことになります(あくまでもそういう話、というだけですけどね)。

では、②いちど立ち止まって、あたりを見渡したうえで、道っぽいところを探していくとどうなるでしょう。これをやってしまうと、もう間違いなくA地点からの方向感覚は断絶してしまいます。リセットです。結果としてA地点からまったく場所的にも、方角的にもまったく関係のないC地点に行ってしまうおそれが非常に強まります。

一度立ち止まってあたりを確認するような感じになると、いま自分が歩いてきたところからの方向感覚がかなり薄れてしまうのです。

もちろん、地図とコンパスを使って現在地を把握できればよいですが、そもそも地図は正確ではないうえに、そのような能力があったらこの記事は読む必要がないわけですから、地図もコンパスもうまく使えないことを前提に考えましょう。

さて、このような状態になると、非常にまずいことになります。いま、C地点にいるわけですから、当然こんなところにひとはいません。しかし、すでに方向感覚がおかしくなっていますから、仮に戻ろうとしてそこから180度反転したとしても、B地点にしか戻れません。しかしB地点には何の目印もありませんし、そもそも道ではありませんから、そこに戻れたとしても何もありません。さらにもう少し進んでA→A' の中間点に行ければよいですが、だいたいそのような場合、ここまで戻るのは至難のわざかもしれません。

というのも、道でないところを通るのは普通のひとは慣れていませんから、歩いている時間がかなり長く感じられるのです。そうすると不安になり、これでいいのか? さっきのところが実は正しかったのでは? と疑心暗鬼になります。そうなると、やっぱり戻ってみようとして、再びC地点を目指すかもしれないし、B地点とC地点の中間くらいからB’ 地点を目指すかもしれません。

そんなばかな?と思うでしょ? A→A’ の道からちょっと外れただけなんだからすぐ戻れるに決まってる?と思うかもしれませんね。

でも、実際こうなってみると、もうパニックですよ。このときの不安というか、心細さというか、そういうものはなってみないとわかりません。相当な心理状態です。

ですから、これはなんとしても避ける必要があるんです。

では、③と④はどうでしょう。
はい。③がベストだと思います。ちょっとでも不安な点があったら、すぐに引き返しましょう。戻るのは進むことの5倍くらい大変だと思います。精神的に。ですが、戻ってみるとなんてことはありません。すぐです。何か道であることが確実なものがあるところまで、戻ってみましょう。そこで一息ついて、不安を取り除いてから再出発すればいいんです。

④のひと休みは、わるくはないのですが、A地点からの方向感覚がやや薄れてしまうので、あまりおすすめはできません。休むのは登山道に戻ってからでも遅くはありませんので、そちらをおすすめします。


まとめ。
とりあえず、「何かがおかしい」とまでは思わなくても、「あれ?」とちょっとした違和感を感じた時点で180度反転して道だとわかるところまで戻りましょう。その感覚と、それに気づいた瞬間の行動が一番大事です。その瞬間を逃すと、リカバリーの可能性は一気に低くなってしまいます。


おまけ。
今回はパニックについて触れました。オリエンテーリングに夢中で、かつ技術を習得中だった学生時代、私は何度もそのパニックを経験しました(笑)。
そのときの心理状態と、行動を記号で表すとこんな感じです。



笑えますが、実際こんな感じになるんですよ。ほんとですよ。だからみなさんは気をつけてくださいね。山で迷うと恐怖ですよ。
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山で迷わないための方法論④ 「そこは登山道?」 [やま]

第4回 「そこは登山道?」

山歩きは最初のうちはよいのですが、傾斜がきつくなってくるにしたがって会話も減り、前を見ることもなくなり、足元ばかり見ているようになりがちです(少なくとも私はそうです)。

では、その足元に迷わないためのヒントがないか、と考えてみました。実はあるんです。これが! 足元を見れば、そこが登山道かどうかはっきりわかるんです。今回は登山道かどうかを見極めるポイントについて考えてみましょう。

先日、八ヶ岳を歩いていたのですが、いつのまにか登山道から外れていたことが2、3回ありました。いずれも、だいたい10~15mくらいです。それ自体はだれにもよくあることでしょう。では、なぜ気づいたのかについて振り返ってみたいと思います。

最初に道を外れたのは、北八ヶ岳の双子池ヒュッテから大岳に向かう途中で、傾斜はまだ緩く、あたり一面にコケがきれいに生い茂っているようなところでした。いわゆる微地形地帯です。同じような木やコケがあり、周囲の風景も似ています。このあたりの道はしっかりした道ではなかったので、道を外れる可能性はやや高いといえるでしょう。

で、なぜ気づいたかなのですが、それは道がふかふかだったからです。え?と思われるかもしれませんが、通常の登山道は登山者に踏み固められて基本的には地面は固くなっています。しかし、いつのまにか、ふかふかのトレイルに変わっていました。ふかふかトレイルという言葉はトレイルランニングをされる方ならおなじみだと思いますが、あのふかふか感です。とはいっても正確にはそこまではいかず、「ふか」くらいなのですけどね。

ふかふかだということは、ひとが踏んでいない可能性が高いので、あれ?と思ったわけです。

ところで、いずれも10~15mで気づいたのですが、自分のペースではこれは6、7秒です。これくらいで気づけばリカバリーは簡単です。すぐ戻れますからね。

もう1か所、道を外れたところがありました。それは大岳の山頂から北横岳に向かう途中の岩場です。このあたりは岩場が多く、わかりやすく○や×が付けられているのですが、私が道を外れた場所には目立つ所に○×がありませんでした。

なかなか歩きにくくて手ごわい岩場だったので、次の安定した足場を見つけようと1歩1歩がんばって岩場を歩いているうちに、いつのまにか外れてしまっていたのでした。
それで、なぜ気づいたのかというと、歩きにくくてイラっとしたからです。したがって、ここでは「イライラ感」が道を外していることを気づかせた、ということになります。

またしても?と思うかもしれませんね。でも、このいつもと違うちょっとした感じ、いわばストレスから気づくことは多いと思うんです。

基本的に登山道は歩きやすいので、ストレスを感じることはないと思います。もちろん傾斜がきついとか、そういうことはあっても、道自体にストレスはない。これもちょっとわかりにくいかもしれませんけど、登山道以外をちょっと歩いてみてください。相当歩きにくいはずですから。

それから、がんばって岩場を歩いているとき、と書きましたが、このがんばっているとき、というのはちょっとやっかいでもあります。こういうときに道を外しやすいのも事実なのです。そんなことも覚えておいてくださいね。

以上、紹介したことのほかにも道かどうかを見分ける方法はいくつかあると思います。
最後にまとめてみましょう。

登山道かどうかを見極めるポイント
①地面が固いか、柔らかいか(踏み固められているかどうか)
②地面が乾いているかどうか(登山道でないところに比べて、登山道は乾いていることの方が多い。また、踏み固められているので乾きやすい)
③足跡があるかどうか(新しい足跡かどうかも重要なポイント)
④歩いていて、なんとなくストレスを感じないか
⑤理由はないけど、あれっと感じることはないか(これも④のストレスの一種)

おまけ。
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この写真は八ヶ岳の白駒荘付近で撮影したものです。こんなふうに、同じような地形が続くところが最も迷いやすいと思います。記事で書いた、双子池ヒュッテから大岳に向かう途中のところもこんな感じでした。
この写真には道っぽいところがあるように見えますが、この写真のなかに登山道はありません。薄暗くなった時にはほんとうに迷ってしまうでしょうね。

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山で迷わないための方法論③ 「look up と head up」 [やま]

第3回 look up と head up

これまでの記事を読んで、もしかすると「地図読みはできなくてもいいんだ」と思った方もいるかもしれませんが、それは誤解です。リスクを避けるためにも、またいざというときのためにも地図読みはできたほうがいいのです。何より、地図とコンパスが使いこなせると、山ではとっても楽しいですからね。楽しさ倍増といっても過言ではないかもしれないですよ。

しかし、やはり地図読みを勉強される方はまだまだ少数だと思います。そこで、地図が読めなくても迷わないで済む方法を考えてみようというのがこの連載の趣旨ですので、誤解しないでくださいね。決して地図読みを軽視しているわけではありません。

この連載では、次のような方をイメージして書いています。

①地図読みを勉強しているのだけど、できるようになった実感がわかない。1:50000の地図が読めなくて困っている。
②地図は読めないけれど、迷いたくはない。

①の方は、第1回と第2回の記事を読んでみてください。この第3回では、主に②の方を対象に書いてみることにします。

さて、ここから本題に入ります。

そもそも、私たちはどうして山で迷ってしまうんでしょう? 
地図がわかりにくいから? それとも道が整備されていないため? あるいは標識がきちんと立っていないから? 前の人についていったら迷ってしまった?

理由はさまざまだと思いますが、地図がわかりにくい(あるいは地図読みができない)から、という理由は、ここでは除外しましょう。登山地図はディフェンシブに読めばいい、というお話を第1回、第2回でしてきましたので、もはや地図のせいにはしないことにします。

ところでいま例に挙げたいくつかの理由は、すべて外部的な要因です。すべての登山道や標識が完璧に目立つように整備されていたらよいのかもしれませんが、なかなかそうはいきません。ですから、それを前提に迷わない方法を考えてみましょう。つまり、私たち自身のほうに何か原因がないかを探ってみたいと思います。

さて、look upということばを聞いたことがあるでしょうか。これはサッカーでよく使われる用語です。ひとことでいえば「目を上げる」ということになります。ドリブルをするとき、最初のうちはもちろんボールを見ながらやるのですが、慣れてくると足元のボールを見ずに、顔を上げて前を向きながらドリブルができるようになります。この状態です。

顔を上げていれば周りにいる敵・味方の動きがわかりますから、次の動作に移るときに時間がかかりません。味方に動きに合わせて瞬時にパスが出せるでしょうし、逆に敵がボールを奪いに来てもすぐに対応することができます。

では、次です。head up ということばがあります。look up に似ていますが、こちらはトライアスロンで使われることばです。トライアスロンでは海で泳ぎます。海は広いですから、進行方向をときどき確認しないと、波の影響などもありまっすぐ泳げません。そんなとき、きちんと進行方向に向かって泳いでいるかどうかを確認するための手段が、head up swimです。息継ぎは左右どちらか(あるいは両方)で行いますが、ヘッドアップスイムは進行方向を確認するためのものなので、頭を前に上げて進行方向を確認します。

さて、ここまでの話でだいたいおわかりだと思いますが、もうひとつ挙げておきましょう。マラソンでも同じです。オリンピックや世界選手権などのエリートランナーはみんな前を見据えて走ってますね。足元だけをみて走っているエリートランナーは少なくとも私は見たことがありません。

というわけで、サッカー、トライアスロン、マラソン、この3つに共通するのが、競技中に前を向く、顔を上げるということなのです。こじつけじゃないですよ。

では登山中のみなさんはいかがでしょうか。前を見て歩いていますか? きつい登りが続くとき、ときどき顔を上げて登山道を確認しているでしょうか?

私の経験によると、きつい登りではまず足元しか見られません。顔を上げたり、前を向いて歩くというのは、とても身体がきついのです。これは簡単なようで、意識していないと絶対できないのではないかと私は考えています。

次に、どれくらいの頻度で見るかということですが、足元を確認していくことも大切ですので、足元と前方を交互に見ていくことになります。トライアスロンのヘッドアップスイムはだいたい3、4回息継ぎをするうちの1回くらいの割合で行うのではないかと思いますので、同じくらいかなと自分では思っています。

前を向いて、視線の先に登山道が見えたらOK です。このとき、視界に入ったところまでは迷わないことが確実になります。ここが重要です。これはクライミングでいう「確保」、と同じではないかと思います。つまり、クライミングで少しずつ「確保」しながら登っていくように、登山でも(カラビナは使いませんが)視線を上げて、少しずつ道を「確保」していくのです。

いかがでしょう。わかっていただけましたか? 登山道でわかりにくいところには○や×印が付けられていたりしますが、そういった情報も顔を上げれば視界に入ってきますし、先行するグループが迷って引き返している様子が見えるかもしれません。

前を向いて、「現地」の情報をどれだけ入手できるかが、迷わなくて済むための大きなポイントになります。地図の情報ではなく、「現地」の情報ですので、気をつけてください。とにかく現地に注意を払いましょう。

実はこれを実際にするにはけっこう体力がいるのですが、これができたら、迷わずに済む人はたくさんいるのではないかと思います。look upとhead up。呪文のように唱えながら、次の山行でやってみてください。

さて、次は1回休みますが、まだまだこの連載は続きます!
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山で迷わないための方法論② 「地図をどう使うか」 [やま]

第2回 地図をどう使うか

登山地図を使う時に私がおすすめするのは、ディフェンシブ(defensive)な地図読みです。

まず、地図読みを、オフェンシブ(offensive)な地図読みと、ディフェンシブ(defensive)な地図読みに分けてみたいと思います。かつてやっていたサッカーを思いだしながら書いているのでカタカナを多用してます。すみません。要するに攻めの地図読みか、守りの地図読みか、ということです。

たとえば、オリエンテーリングでは地図が命です。地図に書かれている情報は、たとえほんの少しの道の曲がりでも読み取らなければいけないことがあります。逆にいえば、このように地図上のあらゆる情報を読み取れるからこそ、自由自在に山の中を駆けめぐることができるのです。これをオフェンシブな地図読みとしましょう。

これに対して、登山地図の地図読みはディフェンシブな地図読みといえます。
どういうことかというと、第1回でお話ししたように、登山地図は1:50000と縮尺が小さくなりますので、大きなもの、わかりやすいものしか地図には載らない(載せられない)という特徴があります。したがって、オフェンシブな地図読みのように、地図上のあらゆる情報をすべて頼りにしてよいとは限りません。なぜかというと、省略されてしまったものもたくさんあるからです。

たとえば微妙な道の曲がりなどは、その回数が多ければギザギザで表示されることもありますが、小さく1回曲がっているような場合は省略されてしまうことが多いでしょう。ですから、そのようなものは最初から(地図に載っているのではないかと)あてにしてはいけないことになります。

しかし逆にいえば、あえて地図に載せている情報(特に文字情報)については、相当わかりやすいものだと一般的にはいうことができるでしょう。ヤマケイ11月号にも昭文社の『山と高原地図』の編集者の方のコメントがありますが、やはり利用者に使いやすいように作ってくれています。ですから、ある程度、情報をデフォルメしてでも、利用者にわかりやすく、使いやすく作られているのが登山地図です。

したがって、文字情報として載せられている情報はほとんどすべて「使える」ものといってもよいでしょう(たまに疲れていて見落とすこともないわけではないですが)。

文字情報とは、次のようなものです(八ヶ岳の地図を参考にしています)。
①所要時間
②「急坂」「岩石帯につき足元注意」などのコメント
③「あずまや」などの物理的なものの情報

これらについては、すべてあたまに入れておく必要があると思います。ディフェンシブな地図読みですから、目を皿のようにして地図を読む必要はありませんが、書かれていることくらいは注意を払っておいて損はありません。ちなみに、1日の予定ルートすべてについてあたまに入れておくのではなくて、次の休憩地点や、チェックポイントとなる場所までの情報で十分です。

長くなりましたがディフェンシブな地図読みについてまとめます。
登山地図では縮尺の関係もあって、相当確実な情報しか掲載していません。これを逆手にとって、掲載されている情報だけを確実に押さえていく地図の読み方のことをいいます。

あくまでも自分の経験ですが、地図に書かれた情報を一つひとつ確実に押さえていけるのであれば、迷うことはありません。

そうすると、もはや問題は地図にはなさそうです。なぜかというと、最低限のポイントだけを地図から読み取り、チェックしておけばよいからです。しかも主に文字情報ですから簡単です。

めでたしめでたし? いいえ、まだまだなんです。実は難しいのはここから。次回からは地図ではなく「現地」のお話です。
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山で迷わないための方法論① 「地図読みの前に」 [やま]

先日、北八ヶ岳を歩いてきて、ちょっと感じたことがあったので、そのあたりを踏まえて山で道に迷わないためのポイントについて何回かに分けて書いてみようと思います。といっても、このテーマに関してはたくさん本が出ていますので専門的なことはそちらを見ていただくことにして、これから書くのは、自分の経験に基づいたちょっとしたコツです。

私と地図とのつきあいはオリエンテーリングを始めてからなので、かれこれもう20年弱。自分なりの考え方も含めて、そのあたりを書いてみます。

第1回「地図読みの前に」

いま図書館で読んできたヤマケイ11月号の特集も「地図読み」でした。ヤマケイ・カルチャークラブをはじめとして、地図読みはブームといってよいでしょう。さまざまなところで講習会が行われていて、とてもよいことだと思います。

さて、登山でふつう使われる地図の縮尺は、昭文社の『山と高原地図』シリーズでは
1:50000(拡大図は1:25000、周辺図は1:350000)です。また、国土地理院の地図は1:25000または1:50000ですね。登山で使われるのは1:25000が多いでしょう。

ところで、この縮尺についてはあまり気にしない方がほとんどだと思います。オリエンテーリングをやっている人以外で関心のある方はあまりいないのではないかと思いますが、しかしこれがとても重要なのです。

具体的に説明しましょう。まず、グーグルマップを開いてください。どこでもよいのですが、とりあえず自分の住所を開いて、最大限拡大(ズームイン)してみてください。このときの縮尺を見ると、スケールは20m(下段は50フィート)となっています。このスケールの長さ(上段の20mの方)を定規で測ると2cmなので、このときの縮尺は1:1000となります。

では、今度はスケールをズームアウトしていきます。マイナスボタンを1回押すと、スケールが50m(下段は100フィート)に切り替わります。この状態が1:2000の縮尺です。さらに2回ズームアウトすると、スケールは200m(下段は500フィート)になります。この状態が約1:8000です。そしてもう1回ズームアウトすると(上段は200mのまま、下段が1000フィートになる)、約1:15000の縮尺になります。オリエンテーリングではいろんな縮尺の地図が使われますが、少し前までよく使われていたのがこの1:15000の縮尺の地図です(最近では1:10000が多く使われています)。
そこからさらに1回ズームアウトすると、1:31250、次が1:62500となります。

長くなりましたが、グーグルマップの縮尺についてまとめると、ズームアウトするごとにこんな感じになります(1:8000より下は概算値です)。

1:1000
1:2000
1:4000
1:8000
1:15384
1:31250
1:62500

さて、もういちどグーグルマップで自分の家を見てみましょう。1:1000のスケールを用いたときと、1:62500のスケールを用いた時、どちらがよく見えますか?もちろん1:1000を使った方がよく見えるに決まっています。では、1:62500のスケールを用いた時、自分の家や周囲はどのように見えるでしょうか?

1:62500のスケールを用いた地図は、自分の家どころか周囲の細い道もつぶれて見えなくなってしまっているのではないでしょうか。そうなのです。主要な道路しか見えないですし、1:1000の時には道の曲がり具合や建物の建つ角度までわかりましたが、縮尺が変わるにつれてそれらはわからなくなってしまいます。

何がいいたいかというと、私たちが普段「地図読み」に使用している登山地図というのは1:50000の縮尺ですから、いま説明した1:62500の縮尺に限りなく近いということです。

「なんだ。じゃあ地図読みなんて無理だ」と思われた方。大正解です。そうです。1:50000の地図では正確な地図読みは無理なのです。これは地図読みをする際の大前提として知っていてもらわなければなりません。

本格的に地図が読めるようになりたい、という方はぜひ、オリエンテーリングの地図を使って、実際にオリエンテーリングをやってみてください。オリエンテーリングの地図は1:10000が多いので、登山地図とは比較にならないほど正確です。正確な地図で等高線が読めるようになると、1:50000の地図でも応用が利くようになりますし、オリエンテーリングがうまくなるころにはコンパスの使い方もマスターしていることでしょう。

しかし、オリエンテーリングは楽しいのですが、みんながオリエンテーリングをはじめられるわけではありませんし、やらない人のほうが多いでしょう。ですからとくにオリエンテーリングをおすすめするわけではありません。

登山地図は地図読みには向かないことはわかった。じゃあどうすればいいか。
実は登山地図は正確な地図読みには向かないけれど、有効活用はできるのです。弱点を逆手に取った登山地図ならではの活用法について、次回お話しします。第3回以降は、地図読みに頼らず、かつ山で迷わないための簡単な方法をいくつか紹介していきます。
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北八ヶ岳 [やま]

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10日から2泊3日で北八ヶ岳を縦走してきました。
1日目はこんな感じ。

(1日目)2011.10.10(月・祝)
蓼科山登山口10:57 → 12:19 蓼科山 01:22
蓼科山 13:06 → 14:04 大河原峠 00:58
大河原峠 14:19 → 14:34 双子山 00:15
双子山 14:40 → 15:06 双子池ヒュッテ 00:26

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蓼科山の山頂付近は予想外に岩場で(全然調べてないので)、まったくのんびりできず。軽くおはちめぐりをして終了。強風でさむい。

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双子池は紅葉がとてもきれいでした。宿泊客も少なく、快適。

2日目はこんな感じ。

(2日目)2011.10.11(火)
双子池ヒュッテ 06:37 → 07:43 大岳山頂 01:06
大岳山頂 07:55 → 08:40 北横岳 00:45
北横岳 08:54 → 09:40 ピラタスロープウェイ山頂駅 00:46
ロープウェイ山頂駅 10:23 → 10:40 雨池峠 00:17
雨池峠 10:40 → 10:55 縞枯山 00:15
縞枯山 10:55 → 11:25 茶臼山 00:30
茶臼山 11:28 → 11:50 大石峠 00:22
大石峠 11:50 → 12:01 麦草峠 00:11
麦草峠 13:03 → 13:38 丸山  00:35
丸山    13:38   → 13:50 高見石小屋00:12
高見石小屋14:09 → 14:32 白駒荘 00:23

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ピラタスロープウェイの山頂駅付近のところ。坪庭は、鬼押出しみたいな感じ。

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ここでコーヒーでひといき。お手軽にコーヒーがいれられるユニフレームのコーヒーバネットは、もはや山に行くときは手放せません。

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縞枯山荘。雰囲気がよかった。いつか泊まってみたい。太陽光に風力発電設備あり。

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白駒池手前のコケ。神秘的です。

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白駒荘前できれいな紅葉を見ながらコーヒーと読書。しあわせなひととき。しかしあっというまにコーヒーが冷める。寒いのだ。カップごと何度も火にかけて温めながら飲む。

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信じられないことに、白駒荘の夕食は1枚の写真に収まりきらないのでした。2分割。すごい。

(3日目)2011.10.12(水)
白駒荘 07:17 → 07:55 にゅう 00:38
にゅう 08:01 → 08:35 中山峠手前の分岐 00:34
中山峠手前の分岐 08:35 → 08:51 中山峠 00:16
中山峠 08:51 → 09:22 東天狗岳 00:31
東天狗岳 09:27 → 10:07 黒百合平 00:40
黒百合平 10:09 → 10:14 中山峠 00:05
中山峠 10:14 → 10:46 ミドリ池手前の分岐 00:32
ミドリ池手前の分岐 10:46 → 10:52 しらびそ小屋 00:06
しらびそ小屋 11:20 → 12:01 みどり池入口 00:41
みどり池入口 12:01 → 12:08 稲子湯 00:07

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白駒池の朝。紅葉がうつくしい~。

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この時期の白駒荘は登山客よりも写真家の宿泊客が多く、みんなカメラの話ばかり。朝はカメラを持っていつのまにかみんなどこかへ消えていった。

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いきなり東天狗岳。蓼科山へコンパスセット。

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東天狗岳から中央アルプス方面かな。強風で相当寒いので、5分くらいしかいなかった。この日は携帯になぜかほこり?が入り、写真が全部イマイチなものになってしまったのがざんねん。

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しらびそ小屋ではお茶とかりんとうで休憩。静かでほっとする。窓の外にはみどり池といま登ってきた天狗岳が見える。いい景色。もう少しすると、リスが走りまわる時期になるとのこと。楽しそうだ。

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しらびそ小屋のキチ。女性に大人気でした。

ソロ登山を大満喫、でした。稜線が風で寒かったけど、それ以外は全く問題なし。いろんな人との出会いが楽しいね。
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倉岳山~高畑山 [やま]

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1週間ぶりの更新となってしまった。しかも記事も1週間前のこと。夏バテでしょうか。

さて、先週の日曜日は倉岳山と高畑山へ行ってきました。中央線の南側にある山です。中央線沿線の山にはいつか行ってみようと思っていたのだけど、そう思ってから、はや何年も[たらーっ(汗)] 近くてとおいエリアだったのだけど、ようやく行ってみる気になった。

この日は中央線の梁川駅を起点にして、立野峠~倉岳山~穴路峠~高畑山~鳥沢駅、と結ぶコース。

参考にした『東京周辺の山』(ヤマケイ)という本によれば、人気があって人が絶えないコースらしいのだけど、梁川駅にいたハイカーは自分たちのほか3人だけ[あせあせ(飛び散る汗)]
昭文社の『高尾・陣馬』の地図にも中央線沿線の山がたくさん載っていて、便利です。

さて、梁川駅から立野峠まではアスファルトの道を約20分、そこから沢沿いに約1時間、という感じなのだけど、この沢が広くて明るい! それに水が豊富でいたるところに小さな滝があり、場所によっては天然クーラー並みのすずしさ。水は飲めないみたいだけど、なんでこんなに豊富なの、ってくらい水が流れてました。来てよかった。

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立野峠につくと、道しるべとともに上野原トレイルレースの標識が。あ、ここはコースなんだ。尾根線を走るのは気持ちがよさそう。
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でも大会はいいや。北丹沢をはじめ、なんとなくこの山域の大会にはそそられない。なぜだ。
立野峠からは落ち着いたコースになるけれど、しかし倉岳山手前はさすがに急になる。それにしても、全然ひとがいない。おかしーな。人が絶えないって書いてあったのに。

倉岳山にはなぜか松の木が。だれかいるかなと思ったけど、ここも貸し切り状態でした。これはこれで気持ちいい。標高は990mらしい。もうちょっと涼しくなってくれるといいのだけど。けっこう暑かった。
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倉岳山からは快適な尾根歩き、と思いきや、200mくらいで終了。コースは尾根の左手に曲がっていて、沢の方に急激に下っていたのでした。ざんねん。そこから穴路峠を経て高畑山へ。途中、なぜか蜂に好かれることが多くなる。なんで?と思ったけど、来ているランシャツが蛍光色だからと判明。まいりました。気をつけよっと。

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高畑山からの風景は上の写真。朝日岳などが見えてます。下の写真はその前で撮ったものだけど、もうどこで撮ったかわからないや。この高畑山にもだれもいない。代わりに蜂がお出迎えしてくれたよ。落ち着かないことこのうえない。でも空気はおいしいね。最近あまり走ってないし、部屋と職場の往復で空気もイマイチだったから、リフレッシュできました。

鳥沢駅に向かって下りていくと、ちょうど山を下りきったところに貯水池が。あずまやらしきものがあったのでここでお昼に。ここが一番のんびりできたよ(笑)。中央線方面の景色もいいし、その後ろには扇山の稜線もみえる。あっち側にもいつか行かないと。

のんびりコーヒーを飲んで、おしまい。
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