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山で迷わないための方法論④ 「そこは登山道?」 [やま]

第4回 「そこは登山道?」

山歩きは最初のうちはよいのですが、傾斜がきつくなってくるにしたがって会話も減り、前を見ることもなくなり、足元ばかり見ているようになりがちです(少なくとも私はそうです)。

では、その足元に迷わないためのヒントがないか、と考えてみました。実はあるんです。これが! 足元を見れば、そこが登山道かどうかはっきりわかるんです。今回は登山道かどうかを見極めるポイントについて考えてみましょう。

先日、八ヶ岳を歩いていたのですが、いつのまにか登山道から外れていたことが2、3回ありました。いずれも、だいたい10~15mくらいです。それ自体はだれにもよくあることでしょう。では、なぜ気づいたのかについて振り返ってみたいと思います。

最初に道を外れたのは、北八ヶ岳の双子池ヒュッテから大岳に向かう途中で、傾斜はまだ緩く、あたり一面にコケがきれいに生い茂っているようなところでした。いわゆる微地形地帯です。同じような木やコケがあり、周囲の風景も似ています。このあたりの道はしっかりした道ではなかったので、道を外れる可能性はやや高いといえるでしょう。

で、なぜ気づいたかなのですが、それは道がふかふかだったからです。え?と思われるかもしれませんが、通常の登山道は登山者に踏み固められて基本的には地面は固くなっています。しかし、いつのまにか、ふかふかのトレイルに変わっていました。ふかふかトレイルという言葉はトレイルランニングをされる方ならおなじみだと思いますが、あのふかふか感です。とはいっても正確にはそこまではいかず、「ふか」くらいなのですけどね。

ふかふかだということは、ひとが踏んでいない可能性が高いので、あれ?と思ったわけです。

ところで、いずれも10~15mで気づいたのですが、自分のペースではこれは6、7秒です。これくらいで気づけばリカバリーは簡単です。すぐ戻れますからね。

もう1か所、道を外れたところがありました。それは大岳の山頂から北横岳に向かう途中の岩場です。このあたりは岩場が多く、わかりやすく○や×が付けられているのですが、私が道を外れた場所には目立つ所に○×がありませんでした。

なかなか歩きにくくて手ごわい岩場だったので、次の安定した足場を見つけようと1歩1歩がんばって岩場を歩いているうちに、いつのまにか外れてしまっていたのでした。
それで、なぜ気づいたのかというと、歩きにくくてイラっとしたからです。したがって、ここでは「イライラ感」が道を外していることを気づかせた、ということになります。

またしても?と思うかもしれませんね。でも、このいつもと違うちょっとした感じ、いわばストレスから気づくことは多いと思うんです。

基本的に登山道は歩きやすいので、ストレスを感じることはないと思います。もちろん傾斜がきついとか、そういうことはあっても、道自体にストレスはない。これもちょっとわかりにくいかもしれませんけど、登山道以外をちょっと歩いてみてください。相当歩きにくいはずですから。

それから、がんばって岩場を歩いているとき、と書きましたが、このがんばっているとき、というのはちょっとやっかいでもあります。こういうときに道を外しやすいのも事実なのです。そんなことも覚えておいてくださいね。

以上、紹介したことのほかにも道かどうかを見分ける方法はいくつかあると思います。
最後にまとめてみましょう。

登山道かどうかを見極めるポイント
①地面が固いか、柔らかいか(踏み固められているかどうか)
②地面が乾いているかどうか(登山道でないところに比べて、登山道は乾いていることの方が多い。また、踏み固められているので乾きやすい)
③足跡があるかどうか(新しい足跡かどうかも重要なポイント)
④歩いていて、なんとなくストレスを感じないか
⑤理由はないけど、あれっと感じることはないか(これも④のストレスの一種)

おまけ。
NEC_0816.JPG
この写真は八ヶ岳の白駒荘付近で撮影したものです。こんなふうに、同じような地形が続くところが最も迷いやすいと思います。記事で書いた、双子池ヒュッテから大岳に向かう途中のところもこんな感じでした。
この写真には道っぽいところがあるように見えますが、この写真のなかに登山道はありません。薄暗くなった時にはほんとうに迷ってしまうでしょうね。

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