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裁判官弾劾法 [法律あれこれ]

ええと、いきなりマニアックな法律から入りますが、内容的にも相当マニアックです。

紹介するのは裁判官弾劾法の5条4項です。

5条4項
参議院における訴追委員及びその予備員の選挙は、第二十二回国会の会期中にこれを行う。

第22回国会というのは、昭和30年3月18日~7月30日の135日です。なぜ、現行条文にこんな規定が残されているのか、謎であります。

ちなみに、6項は、
訴追委員及びその予備員の任期は、衆議院議員又は参議院議員としての任期による。

となっています。この規定によれば、当時の参議院の訴追委員や予備員は現在は当然任期を終えているわけですから、その後の訴追委員や予備員は法律上の根拠を失っていることになります。

そういうわけで、現在存在する訴追委員や予備員は法律上の根拠がなくて、訴追されても無効なのでは?と思いました。

ところが、実は国会法でも126条で訴追委員会について規定しています。

126条
1項 裁判官の罷免の訴追は、各議院においてその議員の中から選挙された同数の訴追委員で組織する訴追委員会がこれを行う。

ということなので、この1項によって現在の訴追委員の地位は根拠づけられているといえそうです(なんだ、つまんない)。

問題は裁判官弾劾法の5条4項ですね。どうしてこんな規定が残っているのか。

・・・・・・きっと時間がなくて改正できないだけなんでしょうねえ。本当は改正したいけど、こんなところを修正する暇があったらもっとほかの法律で変えなきゃいけないところがあると。

なんだか会社でもありがちなことだなあと思ったりして・・・。

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誕生日に歳をとるのは [法律あれこれ]

きょうは誕生日ネタでいきます!

誕生日に、おめでとう! とお祝いしてもらえるのは、①まさに生まれた日だから、②ひとつ歳をとるから、という2つの理由からだと思います。

両方合わせて祝福するわけです。まあ、30を超えるころから歳をとることはあまりうれしいことではなくなってくるわけですが、それはおいておきましょう。

ところで、①についてはお祝いをするのに理由などないわけですが、②については、法律があります。そしてその法律がないと、誕生日には歳をとらないことになっています。

? 

なにいってんの?って感じかもしれませんね。

説明しますね。「年齢計算ニ関スル法律」という明治35年にできた法律があります。
この法律は1条しか条文がないのですが、そのうちの1項が、

「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」

と規定しています。この条文によって、私たちは誕生日に1つ歳をとることになっているわけです。

具体例で考えてみましょう。1月1日生まれの30歳のひとがいるとします。このひとが30歳である1年間は、誕生日である1日から起算しますから、1月1日から12月31日までとなります。これで365日。そして1日から数えて366日目の翌年1月1日が31歳の1日目となります。

じゃあ、この規定がなかったら? 

ええと、民法の規定によります。民法では140条によって、「日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない」とされています。

これによれば、1日が誕生日なら、翌日の2日が起算日になります。すると365日目は来年の1月1日ですね。
つまり、1月2日から翌年の1月1日までの365日が30歳である期間となり、歳をとるのは366日目、つまり来年の2日になるわけです。

だから、①生まれた日だからおめでとう! という日と、②歳をとっておめでとう! という日は厳密には1日ずれることになります。

しかしやはり誕生日に歳をとりたいとだれもが思うわけで、それを解決したのがこの年齢計算に関する法律なのでした。

・・・・・・と、ここまで書いてきて、小さい子にはこの法律はうれしいけれど、30を超えた大人にはあまりうれしくない法律だなあと思ったりして。だって歳をとるのは1日でも遅い方がいいもんね。

おしまい。わかりやすく書いたつもりだけど・・・・・・わかったかな?

※年齢の計算のしかたは、正確には365日と日数で数えるのではないのですが、日数で説明した方がわかりやすいと思い、そのように書きました。正確な数え方を知りたい方は、年齢計算ニ関スル法律の2項と、民法140~143条をごらんください。1年を365日と日数で数えると、うるう年などのときに影響が出てきますが、これらの条文により、その影響はないことになっています。

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生協が安いのは [法律あれこれ]

ちょっと微妙な記事を書いてしまったので、きょうはもう1本追加します[わーい(嬉しい顔)]

以前はイトーヨーカドーの近くに住んでいたので、毎日仕事帰りに食料品などを買って帰っていました。その後引っ越しして少し離れてしまったので、毎日はヨーカドーには行けない。代わりに、生協が近くにあるのでそちらにはよく行っています。

ヨーカドーと生協を値段で比較すると、生協の方が断然安いんですね。品ぞろえでは勝てないけれど、ヨーカドーで特売の値段が、生協では日常的な値段。

ちょっと不思議に思っていたところ、見つけたのがこんな法律。

消費生活協同組合法

(最大奉仕の原則)
第九条  組合は、その行う事業によつて、その組合員及び会員(以下「組合員」と総称する。)に最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行つてはならない。

生協の根拠法律は消費生活協同組合法で、その9条によると、最大の奉仕をしなさいと書かれている。なるほど、だから安いのか。ということは、生協とヨーカドーの価格差がそのままヨーカドーの利益といってよいのかもしれないですね。

こんな法律がたくさんあると消費者としてはうれしいのだけど[猫]

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船員法 [法律あれこれ]

法律トリビア、第2弾は船員法です。マニアックですね。

その名のとおり、船員や船に関する法律なのですが、今回紹介するのはその15条です。

(水葬)
第十五条 船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、国土交通省令の定めるところにより、これを水葬に付することができる。

ひえーっ[がく~(落胆した顔)]

そしてこの条文について定めた国土交通省令(船員法施行規則)の規定は4条と5条。

(水葬)
第四条 船長は、次のすべての条件を備えなければ死体を水葬に付することができない。
一 船舶が公海にあること。
二 死亡後二十四時間を経過したこと。ただし、伝染病によつて死亡したときは、この限りでない。
三 衛生上死体を船内に保存することができないこと。ただし、船舶が死体を載せて入港することを禁止された港に入港しようとするときその他正当の事由があるときは、この限りでない。
四 医師の乗り組む船舶にあつては、医師が死亡診断書を作成したこと。
五 伝染病によつて死亡したときは、十分な消毒を行つたこと。

第五条 船長は、死体を水葬に付するときは、死体が浮き上らないような適当な処置を講じ、且つ、なるべく遺族のために本人の写真を撮影した上、遺髪その他遺品となるものを保管し、相当の儀礼を行わなければならない。

夏も終わりですが、これを読むと急に涼しくなりますね。

実は船に何度も乗っている方からうわさでは聞いていたのですが、どこまで本当かわからず、あまり本気にはしていなかったのです。が、根拠法令を見つけてしまったからには、やはり真実なのでしょうね。

ただ、
三 衛生上死体を船内に保存することができないこと。
とあるので、保存する設備が船にあればよいわけです。だから乗船する前に、スタッフにきちんと聞いておけばよいと思います。

船旅に出かける方は、いちおうこんな知識も頭の片隅に置いておくとよいかも。

タグ:船員法
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法律トリビア [法律あれこれ]

スクーリングも終わり、きょうはほっと一息。そこで、新コーナーを始めたいと思います(笑)。名付けて、法律トリビア! (たぶん、もっといいタイトルを考え次第変更します)。

ようするに、こんな法律があったの?っていうものを素材にした小ネタの紹介コーナーです。

記念すべき最初に登場するのは、自衛隊法!マニアックです。

ではいきます。115条の3を見てみましょう。

(麻薬及び向精神薬取締法等の特例)
第1項
自衛隊の部隊又は補給処で政令で定めるものは、・・・・・・麻薬又は医薬品である覚せい剤原料を譲り受け、及び所持することができる。

この条文は、ようするに自衛隊が覚せい剤を譲り受けたり所持したりできるという規定です。
授業で聞いた話では、覚せい剤を使うと3日くらい寝なくても済むらしいので、戦闘状態に入った場合に自衛隊で使用できるようにした規定だとか。つまり、戦争中は自衛隊は覚せい剤を使ってでも戦うと、そんな感じでしょうか。

この条文だけだと、所持までしか許されていないようなのですが、使用についてはどうなっているのだろう。
ちょっと調べてみようと思って図書館に行ってみたのですが、自衛隊法の本というのはほとんどなく(中大の図書館にもほとんどない)、他の図書館から取り寄せてもらうことにしたので、詳細はわかりませんでした。わかったらまた加筆しますね。

自衛隊員の方々は、もちろん知っているのでしょうね。いざとなったら覚せい剤を使ってまで外国と戦わなければならないかもしれないということを・・・・・・。

大変な任務です。

※「法律あれこれ」にカテゴリー名を変更しました(2013.5.10)

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