SSブログ

阪田雅裕『政府の憲法解釈』(有斐閣、2013年) [books]

まず、きょう現在の防衛省のホームページから引用します。

「(4)集団的自衛権
国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているとされています。わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然です。しかしながら、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています」

ここに書かれていることがいま言いたいことのすべてです。今までの内閣が集団的自衛権を認めてこなかったのは、9条に違反するからです。簡単です。だから、解釈を変えたとしても、9条は変わっていないのですから、それに基づいて改正される自衛隊法などは9条に違反することになるでしょう。

さて、元内閣法制局長官が書いた、『政府の憲法解釈』という本を読んでいます。この本はなかなかわかりやすくていいです。おすすめです。

これから起きうることを考えてみました。

①自衛隊法などが改正される。海外で武力行使ができるようになる。
②米軍などと一体で武力行使が行われる。自衛隊が外国のだれかを殺害する事実が発生。
③日本がテロの対象になる。
④あるいは武力行使にともない、自衛隊員に死亡者・負傷者が発生する。

いや、本当に自衛隊のみなさん、命にかかわることなのですが、大丈夫でしょうか。命令があれば本当に外国にいかなくては行かない状況になるんですけど。

憲法を変えずに、内閣の考えひとつでなし崩しにしてしまうということは、法の支配ではなく、まさに「人の支配」です。いま報道ステーションで、憲法学者が言ってました。

ちなみに、以前、アベは法の支配ということばを知らなくて(法学部政治学科卒なのに)、「法律の支配」と言って、国内の法学者からこきおろされた経験があります。ネットでひくと、今でもたくさんでてきます。

戦争に巻き込まれることはない、とアベは言ってますが、歴史を学べよ、と言ってやりたい。

もはや呼び捨て。名前を書く価値もない人間だし。

最後の砦は、裁判所。海外派兵差し止めの仮処分が認められることを祈ります。ただこれは薬事法違憲判決と同様、国民の同意なしに強引に行われているものなので、違憲とされる可能性が高いとは思います(つまり認められるということ)。

裁判官の「正義」に対する感覚が問われます。


nice!(0) 

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。