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『シューカツ』 [books]

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桜も咲き始めたきょうこのごろ。桜といえばシューカツなのでありまして(やや強引ですが)、そろそろ履歴書などを書いてみないとなあと思いつつ、なかなかやる気にならない。そこでこの本を読めば少しはやる気になるかと思い、読んでみました。

結論。この本は新卒でシューカツをするひと向けの本ではなく、社会人向けの本だと思いました。
たとえば、こんなことが書いてあります。

「わたし、アルバイトしてるときには、ほんとうに意味では仕事のことを考えていなかった気がする。なにがただしくて、なにが間違ってるか。自分のなかに倫理観とか基準はもっていなかったもん。でも、ただ働くって、ただ目のまえの仕事をこなすだけじゃないんだよね。自分が誰か計られるもの」

「確かに正社員と非正規の契約社員やフリーターだと、生涯賃金で1億円以上も差がつくなんて新聞には書いてある。でも、ひとりひとりの人生って計算できるようなものじゃないから。自分で決めて損をする、でもその分自由に生きるっていうのだって、立派な選択だと思う。生涯賃金だけで人間の幸福が計れる、そんなふうに錯覚してる人たちがいかれてるんだよ、きっと」

「そのとき、千晴は気づいた。シューカツはただ生きることが濃縮されただけなのだ。期限を切り、勝ち負けをはっきりとつけることで、人生をうんと色濃くしただけなのだ。
『きっとね、社会に出て働くってことは、ずっとこういうひりひりした感じが続くんだと思う。自分が誰か、なにができるか、それをずっと試されていくんだ。あちこちにぶつかったり、失敗したりしながら。シューカツって生きることと変わらないんだよ。だったらさ、比呂氏くんも怖くなくなるんじゃないかな。だって、自分以上の生きかたなんて見せられないでしょう』」

「けれども、効果のない家庭訪問を続ける第一の理由は、比呂氏にではなく、自分たちのなかにあるのだった。シューカツへの恐怖や心の弱さ、未来への不安は、チームの誰もが自分の中に抱えているものだ。友人を見捨てることは、自分の心の一部を失うことだった。弱さを失えば、同時に強さも失う。人間は心の全部をつかって生きている。」

「あなたもさ、地方出身で東京のおしゃれな女の子にあこがれてるでしょう。でも、わたしは逆立ちしても、あんなふうにはなれないなんて。そんなことはこの年になるとどうでもいいんだよね。シューカツでも仕事でも、勝手にいきいきしてるほうが勝ちなんだ」

さて、引用はこれくらいに。
いかがでしょう。なにか感じるところがあった方はぜひお手にとって読んでみてください。

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