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『ポトスライムの舟』 [books]

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なんとなく気分が晴れない。天気のせいか。帰りに書店によってぶらぶら、何か読みたい気分。でも軽く読めるものがいい。そんな感じで購入したのがポトスライムの舟。

とてもテンポがよく、話を聞いているように「読める」文章です。このリズム感はきっと作者の性格そのものなのかもしれない、と勝手に思ったりして。

作品のなかに世界一周のポスターが出てくるのを知っていたのでこの本を選んでみたのだけど、世界一周してみたいっていう希望と現実の世界をからめて描いているかんじ。もうちょっと話がこれに関係してくるかな、と思ったので、それはざんねん。でも軽く読めておもしろかったよ。

ところで作者の津川さんは、最初につとめた会社でだいぶ精神的にまいられたようですが、その後のインタビューで、会社っていうのは個人の判断能力を下げてしまうところだ、という趣旨の話をしています。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100305/214269/?P=2

そのとおりだなあと思って、いたく共感いたしました。

正しいことが、いつのまにか正しくないことのようになってしまう。
会社の外では当たり前であることが、会社の中にいると当たり前ではない。
よくあることだと思うけど、でも実際にそういう状況に直面すると、ほんとうにおかしくなってくる。

えん罪事件の警察官の取り調べじゃないけど、やってもいないことを、お前がやったんだろ、と言われ続けると、次第に自分がおかしいんじゃないか、と思えてくるようになる。そういうことと似ているのかもしれない。

でも、ちがうひとに相談してみると、やっぱりそれはおかしい、ということになることもある。
だから必ずしもおかしいひとが多数派であるとは必ずしもいえないけど、声の大きなひとだったりすると、やっぱり影響力は強くなる。
判断能力が日常的にゆがめられる職場にいると、ちょっと精神的におかしくなるよね。

そんなとき、それを修正してくれるのが走ることなのです!
スポーツの中でも陸上競技はとてもシンプルで、判断基準が明確。タイムはうそをつかない。だから、判断能力が下げられたんじゃないか、自分がおかしくなってるんじゃないか、というときには、迷わず大会に出よう!
大会では速さが基準だから、だれもその基準をゆがめることはできない。自分の判断基準を取り戻すきっかけにもなるでしょう。

走ることのメリットをまたひとつ見つけました!

p.s 6月4日、追伸。
この本に収録されているもうひとつの作品、『12月の窓辺』もおもしろいです! 会社の人間関係に疲れた時によむと、かなりこころがすっきりするかも。
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